「SNSは効果ない」と嘆く中小企業が知らないコツ 6つのSNSを戦略に合わせて使い分ける

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<Instagram>

Instagramによる〔認知〕向上が期待できるのは比較的若い世代で、昔より男性ユーザーは増えていますが、男性より女性ユーザーのほうが見てもらいやすい傾向があります。相性がいいのはBtoCのヘアサロンや美容系、レストランやカフェなどのように写真映えする要素がたくさんある業種です。

私が経営に参画していた美容院Agnos青山のスタイリスト石川卓弥さんは、自分が得意とするヘアスタイルの写真をInstagramにコツコツ投稿し、フォロワー数が1万人を超えたあたりからお客様が急増しました。 そのあと店長になり、現在はフォロワー数7万2000人まで増え、予約が殺到する大人気スタイリストです(2023年12月)。美容院はその後もヘアスタイルの発信方法を研究し、東京・表参道という競合の多い人気エリアで大人気になっています。

Instagramで成功するコツは「瞬発力」と「継続力」。それとトレンドを意識した写真やリールを活かしたインパクトある投稿です。

うまくいった方はコツコツ続けることが苦になるどころか、楽しんでやっている努力家です。写真映えするものがあったり、比較的若い方に訴求したかったりする場合はInstagramが有力です。

ターゲットの特性に合わせることがカギ

<Facebook>

Facebookは顔写真も名前も出ているので、SNSのなかではもっとも信頼性が高い媒体です。ユーザーの年齢層も高いので、直接つながっているフォロワーに経営者や大企業の決裁者がいれば、BtoBの商談が早い段階で決まるケースもあります。

匿名性が強く若いユーザーが多いInstagramやⅩ(旧Twitter)では真似できない使い方ができるのも特徴です。

Facebookは無料で使えるのも大きなメリットです。広告を出したとしても、GoogleのPPC広告(クリック報酬型広告)費の半分以下でクリックをしてもらえます。PPC広告はその商品に興味関心がありそうな人向けの広告ですが、Facebookのユーザーは暇つぶしに眺めている人が多いのでクリックする確率や購買意欲が低くなるからです。

その分、インパクトがあり、目に留まりやすい広告でなければ見てもらえません。

大前提としてキャッチコピーは、健康、美容、教育、人間関係、ビジネス、住宅など、テーマをはっきりさせること。ビジュアルは、「悩み解決に関するユーザーが親近感を覚える写真」「営業研修の会場で受講生がガッツポーズをしている写真」「ベビースクールに参加したママと子どもの笑顔の写真」など、どんなメリットが得られるのかパッと見てわかる内容が望ましいです。

広告費の目安は、PPC広告は1クリックの相場が40〜600円ですが、Facebookは100円以下ですむケースがほとんどです。目的にもよりますが、安く抑えたいならFacebook広告でもある程度のクリック数を見込めます。

「暇つぶしの人たちの目に留まってもらうインパクトの強い広告ってどんなものだろう?」と思った方は、自分がSNSを見ていて印象に残った広告を集めてみると、共通点が見えてきて参考になります。信頼性、手軽さをかね備えたFacebookはターゲットが合えば、使わない手はないでしょう。

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