シニア世代だけに届いたとして、それでいいわけもなく、若い人を置いてけぼりにしないキメ細かい配慮を、「生きた」日本語との距離が遠のいているスマホ時代の今だからこそ、上の世代には求めたいものです。
「外国人」対応を若者に当てはめてみると…
スマホなどの登場によって、日本人は他人と心ゆくまで語り合ったり、大勢の仲間とおしゃべりしたりするようなことが極端に減ってきました。
その上、自分たちの言葉がずっと通じていると信じて疑わない年配者たち。そしてスマホ画面の動画を黙々と堪能し短いメールを打つだけの若者たち。
両者の会話は、もはや信じられないくらい乖離が広がっています。
こうした現状のままでは、日本社会の行く末が案じられる……と言ったら言い過ぎでしょうか。
せめて、日本人同士で交わされる会話は、双方が十分理解し、納得し合うものであってほしいと願うばかりですが、じつは最近、日本語にまつわる新しい動きがあり、ここに、世代間の会話ギャップ問題解決のヒントがあるような気がするのです。
それは、日本各地の主だった自治体で進められている、在日外国人との交流ガイドライン作りというもの。
自分たちの地域で暮らす外国人の不便を少しでも減らすため、さまざまな取り組みがなされているのですが、なかでもその基本となるのは、「やさしい日本語」の周知と普及です。
「やさしい」には、「易しい(簡単な)」と「優しい(相手を思いやる)」の2つの意味が込められ、だいたい次のような決めごとになっています。
●難しい言葉は、平易な言葉に換えて
●話を長く続けずに、短く区切って話す(1つの文に1つの内容——を心がけて)
●具体的に伝える
●ゆっくり話す
●相手に伝わっていないと感じたら、別の言葉や表現に言い換えて伝えなおす
●語尾を濁して、相手に意図をくみ取ってもらおうとしない。最後まで言い切る
●カタカナ外来語はできるだけ使わない
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