わかりやすい例をいくつか挙げると、このような感じになります。
◇「必ず施錠してください」→「必ず鍵をかけてください」
◇「医療機関を受診してください」→「病院へ行ってください」
◇「運転を見合わせています」→「電車は動いておりません」
外国人に相対するときの手引きではありますが、なるほどと思うことが多く、今の日本人にとっても十分参考になりそうではありませんか。
老いも若きも世代を超えて、いったんみんな同じ易しい(優しい)言葉を通い合わせてみれば、相互の理解もきっと進むはず。
特に、会社で若い人に接している年配の方たちにとって、役立つ示唆になれば何よりです。
問:次の言葉をやさしい日本語に言い換えてみてください。
② 「未加入」
③ 「該当者」
④ 「土足厳禁」
⑤ 「天地無用」 (※模範的な答えは、記事の最後に)
「自分の当たり前」は「他人の当たり前」でない
言葉は、自分自身を表現し、状況を説明し、希望を述べ、相手を理解する……生きていくためには欠かせないものです。
たくさんの言い回しや言い換えが自在にできるようになると、説明力が増します。
説明力がなければ、人を納得させることができません。
つまるところ、言葉を覚えて増やすことは、自分の思いを人にわかるように伝える力を養うことにほかならないのです。
人を納得させる力がないと、自分に自信がなくなり、人生がうまくいかないことにもなります。
そして、最も大事なこと。
それは――自分にとっての「当たり前」が、相手にとっても当たり前なのかを立ち止まって考えること。
これができると、他人とのコミュニケーションの質がぐんと上がります。
なぜなら、相手に合わせて何が〈やさしい〉のか(=どのような配慮や工夫が効果的なのか)を考えるからです。
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