説明が「ウケる人」と「ウケない人」決定的な違い 「よい説明」は"聞き手を知る"ことから始める

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説明の前に聞き手と接点を持つことができない場合も多々あります。そういったときは「推測」を中心に行っていきましょう。私は企業やある団体の主催の講演会やセミナーに登壇するときに必ず行うのがホームページ検索です。また、会社の広報活動の一環として、社員さんがSNSをやっている場合は、投稿内容をチェックします。こうしたやり方は、情報を得ることが難しい初めての営業先などにも使えるでしょう。

視点②到達点──どうなってもらいたいか?

続いて、視点②です。「説明することで聞き手にどうなってもらいたいか」という聞き手の到達点を決めます。ポイントは、自分が「何を話したいか?」ではなく、聞き手に「どう変わってほしいか?」をまず明確にするということです。

具体的に探るべきこととしては、「聞き手の欲求」です。たとえば、企業向け研修での欲求は、聞き手である受講生が最終的に学んだ内容を習得し、現場で生かせるイメージを持てることでしょう。もちろん、企業によっては聞き手が、「まずは興味・関心を持てるようになればOK」という場合もあります。

ただし、ここで大切なことが1つだけあります。それは「話し手は、聞き手の視野を広げてあげるべき場合がある」ということです。たとえば、ビジネスシーンでいえば、新たな制度や法案の通過、自分が属する業界とは異なる企業の不祥事や倒産などが該当します。さらに、日常生活で考えれば、災害時の対応策がわかりやすいでしょう。

たとえば、職場や地域で行われる防災講話や特定の地域で配布される自治体広報誌。ここでは「大地震に備えましょう」という一般論の説明に終始するのではなく、災害が起こったら職場や聞き手が住む地域が具体的にどのようなリスクにさらされてしまうのか。なぜ、そのようなリスクが起こってしまうのか。地盤や水路の位置まで踏み込み説明します。さらに、それに合わせた避難訓練を行ったり、防災グッズを用意するヒントまで伝えることができるならば、そのネタは聞き手にとって大きな価値になるはずなのです。

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