説明が「ウケる人」と「ウケない人」決定的な違い 「よい説明」は"聞き手を知る"ことから始める

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話し手である自分自身がどんなに「価値ある面白い説明ができた」と思っても、聞き手がそれを「つまらない」と思ってしまえば、それまでなのです。「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、この点は意外に見落としてしまいがちです。

それでは、ここからは、具体的に何をすれば「よい説明」になるのかについてお話ししていきます。その絶対に欠かせないことが、「聞き手のプロファイリング」です。

ここでいうプロファイリングとは、聞き手に関する情報を事前に集め、分析・把握することを指します。話の面白さを決めるのが聞き手であるならば、その聞き手を知ることから始めなければなりません。プロファイリングですべきことは、実は1つだけです。

それは、話し始める前の段階で、説明する素材(ネタ)が今、聞き手の中でどのような位置付けにあるのかを確認し、それについて聞き手がどんな考えや想いを持っているのかを把握することです。もちろん、この段階では、推測の域を出なくても構いません。大切なことは、できるだけ聞き手の頭の中の状態を知ろうとすることなのです。

視点①現在地── 今「どこ」にいるのか?

聞き手の頭の中を把握するためには、次の3つの視点でプロファイリングを行っていきます。

[視点①]現在地 [視点②]到達点 [視点③]価値観

まず、視点①「現在地」から説明していきましょう。プロファイリングをしていく上で最初に知るべきことは、話そうとしている素材(ネタ)が現在、聞き手の中でどのような位置付けにあるかということです。

これから自分が説明しようとしているネタについて、聞き手はどれくらいの情報量を持っているのか。あるいは、どれくらい理解しているのか。そういったことを探ります。

もちろん、社内や取引先などすでに知っている人であれば、この情報は比較的入ってきやすいでしょう。少し会っていないなど間が空いた場合には、口頭でもチャットでもいいので、近況を質問して情報を集めることをおすすめします。

初めての営業先などでは周辺から情報を得る、面談前にメールでさり気なく相手の状況を確認するなどがいいでしょう。

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