「NTDsの撲滅には、日本の力が必要です」 熱帯感染症の権威、ホッテズ教授に聞く

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現在、韓国でMERSの感染が問題になっていますが、昨年のエボラ出血熱の流行では特効薬もワクチンもなく、2万人もの人が亡くなっています。

このような悲劇が起きてからようやくワクチン開発を始めているという状況では、終息したころになってようやくできてくるということになってしまう。事前に患者を救えるだけの技術力を蓄え、同時にビジネスとしても満足が得られるしくみが必要なのです。

――ご著書『顧みられない熱帯病』は、最近邦訳されました。どんな人に読んでもらいたいですか。

2008年にアメリカで初版が刊行されたときには、大学生を中心に国際的な開発協力に関心のある若い人が読んでくれました。日本でも科学者ばかりでなく一般の若い人に読んでもらいたいですね。さらに、世界のなかでどのように貢献できるかということを考えている、製薬をはじめ産業界のリーダーにも読んでもらいたい。

日本は、NTDs問題に対してもともとある程度の貢献をしてきていますが、GHITファンドの設立以後、ますますグローバルヘルス問題に対する貢献度は大きくなりつつあります。そしてその分、世界からの期待も大きくなっています。一般の人たちにも、もっともっと関心を持っていただきたいですね。安倍晋三総理にも私のサインの入った本をお贈りする用意がありますよ(笑)。
 

小長 洋子 東洋経済 記者

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こなが ようこ / Yoko Konaga

バイオベンチャー・製薬担当。再生医療、受動喫煙問題にも関心。「バイオベンチャー列伝」シリーズ(週刊東洋経済eビジネス新書No.112、139、171、212)執筆。

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長谷川 愛 東洋経済 記者
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