武田薬品が京大と提携、iPSで何をするのか

10年で200億円を提供、共同研究の狙い

「これまでにない医療をつくりたい」と思いが一致した、京大の山中教授(左)と武田のウェバー社長

武田薬品工業から共同研究契約の規模を、「大」「中」「小」のどれにするか尋ねられた京都大学の山中伸弥教授は、「やるのなら大規模で」と即答したという。こうして、iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究で国内最大規模の提携が生まれた。

国内製薬最大手の武田が、ついにiPS細胞の医療応用に本格参入する。タッグを組んだ相手は、日本のiPS細胞研究の総本山である、京都大学iPS細胞研究所(CiRA:サイラ)だ。iPS細胞を使って新薬の開発を効率化し、将来的にはiPS細胞そのものを利用して病を治す再生治療も視野に入れる。

武田のクリストフ・ウェバー社長がCiRA所長の山中伸弥教授の元を訪ねたのは昨年9月のこと。ウェバー社長は「会ってすぐに『iPS細胞を使ってこれまでになかった医療を作りたい』というお互いのビジョンが合致した。待っている患者に早く新しい医療を届けるために、短期間での提携に至った」と、ワクワクした面持ちで話す。

 武田の施設でともに研究

今回の提携は、国内のiPS細胞研究で最大規模のものとなる。武田はCiRAに10年間で200億円の研究資金を提供するほか、研究設備や創薬技術など120億円以上に相当する研究支援も別途行う。

共同研究を行うのは武田の湘南研究所(神奈川県藤沢市)内の専用研究スペース。大学の研究者が企業の研究所に出向いて研究を行うケースは、これまでにほとんど例がない。湘南研究所には武田とCiRAからそれぞれ約50人ずつ、合計で100人前後の研究者が集まり、およそ10のプロジェクトチームを作って研究を進める予定だ。対象疾患の候補は、糖尿病、精神・神経疾患、がん免疫療法など多岐にわたる。

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