社員の辞めそうな"兆候"を察知する「1on1のコツ」 週1回30分の「上司と部下との対話」驚きの効果

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このように、部下が上司の様子をうかがいながらコミュニケーションしているケースが多いと思います。このことがリスクにもなり得るわけです。

何かトラブルが起きたとき、その実証と解決策をセットで報告しないと怒られるような会社もあります。しかし、解決策なんてすぐには考えられません。「どう報告しよう……」と考えている間に、事態はどんどん悪化していって、より悪影響を及ぼすようになってしまうこともあります。

部下が上司に知らせることなく自己解決していたとしても、上司に知らせて対話していたら、より良い解決方法が生まれていたかもしれません。

自分で考えることは重要ですが、やはり情報のキャッチボールが必要です。わからないことをすぐに「わからない」と聞ける関係性のほうが、個人としてもチームとしても健全です。

何かあったらすぐに報告できる間柄をつくるには、お互いの関係性が良くなければいけません。ただ、大人に「仲良くしなさい」といっても仕方ありません。何でも言える間柄を構造的につくる必要があります。

そのためには、コミュニケーションの質と頻度が重要です。

質とは部下が話したいことを話せるようになること。そのため上司は話し過ぎないように、発話量を30%以内にします。頻度は1週間に1回30分のコミュニケーションを繰り返すことで、普段から話しかけやすい関係性をつくることができます。

そうすることで、気付いたことをすぐに報告できたり、不安や心配に思っていることを気軽に話せたりするようになる。その結果、部下の成長に寄与できる時間になっていきます。

1on1で退職や失注のリスクを回避

上司と部下の関係性が構築されることについて、経営的なメリットとしてリスクの予測や回避ができるようになります。

一番のリスクは社員の急な退職です。退職する社員はたいてい、突然「申し上げづらいのですが……」と切り出します。突然空いたポジションに人を入れて、育てていくのは大変です。

それが、1on1をしていると、普段からなんとなくサインを送ってくれます。「ちょっと他の会社が気になっています」「僕は本当はこういうことをやりたいんです」といった話題が出てくる。そこで相談に乗れば、辞めるという決心をしないかもしれません。辞めるとしても、早めに手を打つことができます。

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