社員の辞めそうな"兆候"を察知する「1on1のコツ」 週1回30分の「上司と部下との対話」驚きの効果

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では、どのように行えばいいのか。

私たちは、1on1を「上司と部下の双方がお互いに興味を持ち、お互いの話を傾聴しながら信頼感を高めるための時間」と定義しています。上司と部下が自己開示し合って、上司がしっかり聞く態度を示す。その繰り返しによって信頼関係が構築されていきます。

信頼した人からの評価は、納得度が高まります。悪い評価の場合、相手が信頼できる人でなければ、部下は納得できません。働きがいなんて感じられないくらいに腹が立つこともあるでしょう。

上司が信頼を得ていると、評価やアドバイスに対する納得度が高まります。良い評価の場合も悪い評価の場合も、「もっと頑張ろう」と思えるようになります。

週1・30分の「部下のための時間」

1on1の話題は「何でもOK」です。趣味の話、好きな映画、おすすめの家電、家族のこと。自分のキャリアについて話す人もいます。

「これくらいの年収がもらえるようになりたいんです」といった話になれば、上司が一緒に他社のジョブディスクリプションを見ながら「その金額なら、このスキルが必要だけど、現状ではどうかな」「うちの会社でマネージャーになったほうがいいかもね」といったことまで話します。もちろん、仕事のトラブルや進捗について話すこともあります。

ただし、話題はすべて部下が選びます。部下が望めば業務上の指示やアドバイスをしてもいいですが、そうでない限りはNGです。仕事の意思疎通に必要なコミュニケーションは、別の時間で確保します。

その時間を使って、「どこに旅行に行くのが楽しいか」といったプライベートの話から、仕事上のトラブルやキャリアの話など何でも話すことができます。コミュニケーションの頻度と質を高めることで、効果は高まります。たまに「面談をしてください」と言われて行う1on1とは違います。

部下から見ると、上司はいつも忙しそうです。「ちょっとすみません、この件を教えてください」とは言いづらい。そのため、トイレに行くときに話しかけたり、会議室に移動するところを狙ったり、なんとかタイミングを見て話しかけようとします。

それに、上司のスケジュールを見ると、予定がぎっしり詰まっています。部下が見ても、それぞれの予定について、どれだけ重要なのか、自分が話そうとしていること以上に優先されることなのかといったプライオリティがわかりません。

だから邪魔をしないように空いている時間を狙いますが、実際には、上司の予定より部下からの報告のほうが大事だというケースはたくさんあります。

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