同志社大学・太田肇教授の新モチベーション論(第5回)--改善活動の中に表彰制度を取り入れた藤枝市役所
そして優れた改善運動については、市の方針決定機関である行政経営会議で「年間表彰」「上半期表彰」などを選んで表彰するとともに、記者発表や市のホームページで公表したり、取り組みの事例発表会を開いたりしている。
ちなみに、年間表彰には次のものがある。
■「元気がでる職員大賞」(優秀賞)・・・改善効果およびアイデア提案の内容が有用性、重要性、現実性、汎用性および研究努力において特に優れており、その効果が大きいもの。
■「奨励賞」・・・改善成果およびアイデア提案の内容が有用性、経済性、重要性、現実性、汎用性および研究努力において優れており、その効果がある程度期待できるもの。
■「GOOD! アイデア賞」・・・改善成果およびアイデア提案の着眼点が優れているもの。
■「テーマ別改善賞」・・・(2011年度)テーマ:(1)「節電の推進」(2)「通常業務の効率化・平準化・マニュアル化による改善」(3)「ユニバーサルデザインの視点による業務改善」。この3テーマに沿った内容で、特に優れているもの。
■「年間猛打賞」・・・改善成果およびアイデア提案とその実践結果の1人当たりの年間件数がいちばん多い課。
■「最多足あと賞」・・・改善成果およびアイデア提案の閲覧件数がいちばん多い案件。
昨年度の「元気がでる職員大賞」は、法務や政策法務に詳しい人材の育成という総務部総務課職員によるアイデア提案だった。自治体法務検定委員会が実施する「自治体法務検定」においてプラチナクラス認定(1000点満点で900点以上)の獲得を目指すというものであり、自らチームを立ち上げ、月に3回程度の勉強会を開いた。その努力が実を結び、全国平均を大きく上回る得点をあげたうえ、受験者14人中4人が見事プラチナクラスに認定された(同クラス合格者は、全国で53人だった)。
表彰式の内容は地元紙でも報道され、改善運動に対する職員の意識もだんだん高くなっているという。
おおた・はじめ
同志社大学政策学部教授。日本表彰研究所所長。神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。京都大学経済学博士。滋賀大学教授などを経て2004年より現職。著書に『「不良」社員が会社を伸ばす』『認め上手』など多数。
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