「一姫二太郎」は子供何人?親の日本語力も深刻だ 「言葉の正しい理解」が"社会的トラブル"を防ぐ

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なぜならば、産まれたばかりの男の子は一般的に体が弱くて病気にもかかりやすい。その分、育児が大変。それに比べると、女の子は丈夫にスクスクと育ってくれて、手が掛からなくて済む。それゆえ、母親は初めての育児をなんとかこなすことができ、その経験が次の男の子の育児に余裕をもたらす、というわけですね(※諸説あります)。

日本人の経験に基づいた古くからの言い伝えですが、これを「女1」+「男2」で、子供が3人いると捉える人がけっこういるのは、どうしたことか……。

もしも子供が3人いるお父さんが、「うちは一姫二太郎なんですよ」と言ったなら、相手は「計2人」と思ってしまい、やがてその誤解のままに関係が続く……という気持ち悪いことにもなりかねません。

また、以前「〇〇さんの琴線に触れて激怒された」と嘆いた人がいました。

「逆鱗(げきりん)に触れて」の誤りですが、学生に行ったアンケート調査では、同様の混同以外に、そもそも「琴線に触れる」「人の怒りに触れる」という意味で使っていた人が7割以上も。

琴線とは、感動する微妙な心情を指し、激怒とは無縁です。 

言葉は――相手を理解し、自分の考えを説明するためのものですから、それが正しく発信できないということは、生きる力を自ら減じているようなものです。

もしかしたら誤って覚えているかも…

ここに、誤りがちな例をいくつか挙げてみますので、頭のなかにある記憶と照らし合わせてみてください。

【誤りが多い例】
1 正➡馬子にも衣装 誤➡孫にも衣裳
2 正➡渡る世間に鬼はない 誤➡渡る世間は鬼ばかり
3 正➡餞(はなむけ)の言葉 誤➡花向けの言葉
4 正➡取りつく島がない 誤➡取りつく暇がない 
5 正➡図に乗る 誤➡頭に乗る
6 正➡的を射る 誤➡的を得る
                                (※正しいほうの意味は、記事の最後に)

さらに、四字熟語でも、こんな誤りをする人が大勢います。口から音で発するときは誰にも気づかれませんが、字で書くと“覚え間違い”があらわになりますから注意しましょう。

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