トヨタが人事評価で「人望」を重視するワケ 今こそ見直したい、30代からの必須スキル

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部下に具体的に教える内容に加えて、上司として取るべき姿勢も重要です。ここでは、3つのポイントをご紹介します。

部下に関心を持って対話しているか

部下に関心を持って、対話することが重要

ひとつ目は、部下に関心をもって対話することです。上司にとっての部下は沢山いますが、部下にとっての上司はただ1人。想像以上に部下は上司をよく観察しており、上司の関心を得たいと思っているものです。

あるトレーナーは、トヨタ時代に1人の新入社員をチームに受け入れました。派手な外見と一匹狼的な雰囲気から、3カ月で退社するだろうと周囲は言いました。しかしトレーナーは彼を退社させたくない一心で、1対1で毎朝5分のミーティングを1年間続けました。

内容は「今日はどんな仕事をするの?」といった他愛のないもの。話してみると、外見とは裏腹に非常に真面目な内面が見えてきました。結果的に、彼は3カ月で退社することもなく、溶接の競技大会で全国2位の実績を獲得しました。

そのトレーナーは言います。「若い子は大きな伸びしろを持っています。上司が関心をもちさえすれば、それに応えようと大きく成長するものです」

2つ目は、部下にチャレンジさせる勇気をもつこと。スピーディーに成果を出すため、上司としては失敗の可能性を最小限に抑えたいものです。しかし、失敗に学びや成長の可能性がある場合には、あえてやらせてみるのも一手です。

あるトレーナーはトヨタ時代に、生産性アップのために、「機械が壊れてもいい。せっかくの機会だから、思い切りやってみろ」という上司のアドバイスに従って、機械の稼働スピードを上げました。一時的に生産性は上がりましたが、1カ月後に不安は的中して機械がストップ。ラインが止まって、大騒ぎになりました。

そのとき、現場に来た専務は、背景を聞いたうえで、トレーナーにこう言いました。「設備を壊したことで、誰かに叱られたか」「いいえ」「そうか、安心した」。そのトレーナーは、失敗を恐れずにチャレンジしろという強いメッセージに、胸が熱くなったと言います。

3つ目は、チャレンジの後に、必ずフォローすること。トヨタでは、この「フォロー」を徹底的に行っています。

上司として部下に仕事を教えたとき、1回目は上手にできたから「次からは、1人で大丈夫だろう」。これではフォローゼロです。

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