トヨタが人事評価で「人望」を重視するワケ 今こそ見直したい、30代からの必須スキル

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リーダーになると、未経験の領域までチームを引っ張ることもあります。その時、論理を越えてリーダーについていきたいと思えるかどうか。これはより困難な仕事に取り組もうとするときほど、必要な要素です。

みなさんは、人望のある上司である、またそうなれそうだと、自信をもって言えますか。

部下に伝えるべきは、「ものの見方」

それでは、リーダーの立場として、部下に何を教えればいいのでしょうか。

ひとつ目は、ものの見方。正しいこと、間違っていることは何かということです。日々成果を求められるリーダーは、部下が失敗した時には結果だけを見て相手を責めがちです。しかし、部下なりに、意志をもって行動した結果かもしれません。

あるトレーナーはトヨタ時代、このような経験をしたそうです。トラブルでラインが止まった時のこと。原因を確認せずに「ラインが止まりました」と上司に報告すると、「なんで止まったんだ!」と激怒されてしまいました。しかし、次にラインが止まった時に「ラインを止めました。これ以上動かすと、不良が続出すると予想されたからです」と報告すると、「よくやった!」と褒められました。

上司は現象だけではなく、その背景にある意志まで見てくれたのです。このようなやりとりを繰り返すことで、部下はものの見方を理解していきます。

2つ目は、仕事の全体像を見せることです。経験の浅い若手や、仕事へのモチベーションが低迷している部下に特に有効です。

トヨタには車好きの若者が多く入社しますが、中には車好きでない人も当然存在します。そのような新入社員に対して、あるトレーナーはイベントに連れ出したり、車の走行性を実感できる運転を体験させたりしました。「車好きでなくても仕事はできますが、自分の扱う製品を好きになった方が、格段に仕事は楽しいし、仕事への深みも出る。だから、さまざまな経験をさせることで、車に対する興味をわかってもらうようにしました」。

商品やサービスの魅力や実際に使われている場面を知ること、つまり、仕事の全体像を知ることは、部下の仕事の姿勢を大きく変えるのです。

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