大谷グローブ飾った市長は結局何がマズかったか 実は安易に触れるにはリスクが高い案件だった

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別府市公式サイトによると、市役所1階ロビーでの展示は当初、1月18日から29日まで。その後については「大谷選手のお気持ちを大切にし、各学校で活用させていただきます」と書かれていた。しかし、批判を受けて、公開期間は27日までに短縮されている。

「子どもたちのために」大谷翔平のグローブ

ここで、念のため「大谷翔平のグローブ」について、おさらいしておこう。全国の小学校約2万校すべてに3個ずつ、あわせて6万個を寄贈するというもので、2023年11月にプロジェクトが発表された。大谷選手は発表当時、インスタグラムで「このグローブを使っていた子供達と将来一緒に野球ができることを楽しみにしています!」と語っている。

そんな思いが込められたグローブを、どのように扱うのか。他の自治体を引き合いに出して、別府市の対応を非難する声もある。

たとえば岐阜県美濃加茂市・藤井浩人市長は「市に届いたその日に一日でも早く子供達のもとへと、学校に送りました。12月の2学期終業式前には、学校で子どもたちの手元に届いています!」とXに投稿。岡山県総社市の片岡聡一市長も、「みんな大喜びでさっそくキャッチボールをしたところ、この子の豪速球には驚いた!」と動画とともにSNS投稿した。どちらも「本来の趣旨にあっている」と、好印象を残しているようだ。

市長のポスト
サラっとした投稿になっている(出所:藤井浩人市長のX)

一方で、別府市長がやり玉に挙げられたが、実は他の市区町村でも展示は行われている。「大谷翔平 グローブ 展示」などと検索すると、いずれも学校への配送体制が整うまでなどの一時的ながら、栃木県小山市(すでに終了)や兵庫県相生市などの公共施設で、期間限定で展示されている例が出てくる。

そもそも、大谷選手はなぜ、グローブを寄贈しようと考えたのか。その背景を考察してみると、彼は今回ただ野球道具を配るのではなく、「未来の野球選手を育てるタネ」をまこうとしたのではないかと感じる。

グローブに添えられた手紙で、大谷選手は「野球しようぜ」と呼びかけている。20歳ほど年の差があっても、スポーツのもとでは対等。小学生でも仲間になり得ることを、フランクな言葉を通して、未来のプロ野球選手たちに伝えているのだ。

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