冷ややか目線と期待、「ソニー・ホンダ」が貫く我流 1年の取り組みで見えた実験場としてのクルマ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

川西社長への取材は、SHMの誕生からCES 2023、その後の複数回のインタビューや今回のCESなどで少しずつ積み重ねてきたものだが、一連の取材の中でのメッセージには一貫性がある。

それはここまでに書いてきたように、SDVとしての価値を最大限に引き出すため、搭載する処理回路やセンサーの選定で”上限”を定めないこと。天井を高くして、開発者がより高みを目指せる基盤にすることが1つ。

もう1つは、その基盤で安全・安心を築くことに加えて、SDVとしてのセンサー、情報処理のプラットフォームをエンターテインメント”にも”活用し、SHM自身がそのプラットフォーム上でさまざまなソフトウェアを作成、追加するだけでなく、パートナー企業にも開放していくという考え方だ。

CES 2024では、川西社長がプレステ5のコントローラーでAFEELAをステージに呼び出すデモを行った。「ソフトウェアを書けばそういうことができる」(川西社長)ことを視覚的に見せたもので、コントローラーでのリモコン操作を主要機能に位置付けているわけではもちろんない。

繰り返しになるが、AFEELAはソフトウェアで価値創造するための真っ白なキャンバス、エンジニアのプレイフィールドだ。そうした目線で見ると、一連の発表の意図がクリアに見えてくるのではないだろうか。

Epic Gamesとの提携の意味

例えば、「Epic Gamesとの提携」「Unreal Engine 5.3(UE5)への対応」といったキーワードが大きく訴求されることは、自動車産業寄りの価値観では理解できないかもしれない。

Epic Gamesが開発したUE5は、ゲームを開発するための基盤技術だ。このゲームエンジンにより、リアリティが大きく向上して本物の風景に近い映像をリアルタイムに描けるようになった。評価のカギは”リアルタイム”と”映像品位の高さ”にあり、UE5を扱えるエンジニアも数多くいる。

安全・安心のために贅沢なソフトウェア開発基盤を用意したうえで、そのリソースを活かして、車内の多彩なディスプレイ、空間オーディオシステム(360 Reality Audio)を通した表現力を提供できるようにしたい、ということだ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事