冷ややか目線と期待、「ソニー・ホンダ」が貫く我流 1年の取り組みで見えた実験場としてのクルマ

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では、具体的にどのようなクルマになるのか。

SHMはAFEELAのドライブシミュレーターをEpic Gamesと開発し、CES 2024では、AFEELAで街中を走る体験を行えるようにしていた。現時点では搭載するセンサーとの連動シミュレーションなどは行われていないため、単にパノラミックディスプレイや操縦桿タイプのハンドル、レバー類がどのように動くかを体験するだけのものにすぎない。

あくまでも「こんな表現もできるよ」という一例なのだが、その中ではテスラやアルファベット傘下のウェイモが得意とする”イメージトランスフォーマー”の応用があった。

イメージトランスフォーマーは、ADASがとらえている周辺状況を視覚的に再現したもので、車線レーンや信号、歩道、パイロン、自転車、歩行者などを表示する機能だ。「自動運転黎明期にあっては、ADASがどのように周辺環境をとらえているのかが視覚化されるだけでも興味をそそられる」(川西社長)。

シミュレーターでは、テーマ設定に応じてイメージトランスフォーマーで作り出した周辺状況のグラフフィックスに、エンターテインメント性の高いグラフィックス(街中を怪獣が壊しにくるなど)を重ね合わせるといった遊びが盛り込まれていた。

視点の先はSDVの開発エンジニアに?

しかし、それが当然ゴールではない。

センサーを用いた娯楽性に関しては、以前から集めた情報を基にして旅の思い出をムービーとして生成するアイデアや、センサー情報を夜中に車内で分析してクラウド上の地形データと照らし合わせ、時間ごと、場所ごとの歩行者や渋滞などの情報も含めて機械学習させるなどの話も出た。

360度の空間再現性を実現できるオーディオシステムは、ADASがとらえる周囲の危険な状況を音によって知らせる(ある方向から何かが近づいている、といった形で伝えるなど)ことも可能だ。

さらには、プレイステーション向けにドライブシミュレーターを開発しているポリフォニー・デジタルとともに、ソフトウェアでAFEELAの振る舞いを調整するなど、”感性領域”の追求を行うことも発表した。

ポリフォニー・デジタルは、現実の自動車が持つ振る舞いのフィーリングをプレステ上で再現する技術を開発してきた。そのノウハウを用いて、気持ちよく操れる自動車になるよう、AFEELAというクルマにも”ソフトウェア”でドライブフィールを作り出す。

「これがSoftware Defined Vehicleだ」。CES 2024で川西社長は、そう自信を持って話した。未完成のAFEELAを紹介するその目線は、”SDVで新しいことがしたい”と思っているソフトウェア開発者へと向けられたものだったのかもしれない。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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