農業関連の被害も広範に及んでいる。14日午後2時現在、農地の亀裂、土砂埋没など41件、農道の亀裂、崩壊、陥没など73件、水路の破損、崩壊など39件などとなっているが、ここには甚大な被害を受けた奥能登の2市2町(輪島市、珠洲市、能登町、穴水町)の記載がない。石川県に確認すると「まだ被害確認ができていないため」だという。実際には相当数の被害箇所があると見ていいだろう。
大きな河川がない能登地方にはため池が多いが、その被害も大きい。ため池の亀裂、崩壊などは104件で、奥能登では能登町が24件、珠洲市25件、輪島市3件、穴水町1件となっている。
畜産関連では停電や断水などの影響で家畜に与える水やエサの供給が一時深刻な状況に陥った。その後、停電の解消で地下水をポンプでくみ上げられるようになった牧場もあるが、エサに関しては道路の寸断、渋滞などの影響で絶対量が不足しているという。畜産関連の施設損壊は43件に及んだ。
漁港も大きな被害
漁業関連の打撃も計り知れない。漁港は県管理7漁港、市町管理51漁港で、防波堤、岸壁、臨港道路損傷などの被害が確認されている。輪島市12漁港、珠洲市7漁港、能登町10漁港、穴水町1漁港と奥能登の被害が大きい。輪島市から珠洲市の外浦海域の漁港では地盤隆起で海底が露出。漁業関係者からは「漁港として使えなくなった」との悲痛な声が上がっている。
漁船の転覆、沈没は146隻以上で、ズワイガニやのどぐろなどの産地である珠洲市が100隻と圧倒的に多い。その他、漁船の座礁、流出も26隻以上あり、輪島市では10隻が座礁した。七尾市、輪島市、珠洲市、能登町の漁船17隻は新潟県内の沿岸に漂着したという。
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