恐竜学者「化石がある」ならウズベキスタンへも まさかの"ボウズ"から一転、新種の恐竜発見
「恐竜化石を見つけましたよ」
キャンパスの新緑が目に眩しいある日の午後、私の所属する専攻の留学生、オタベック・アンワロフ君が私の研究室を訪ねてきた。恐竜化石を見つけましたよと言いながら、1枚の写真を見せてくれた。
最初、私はナンノコッチャと思ったのだが、そこには確かに、恐竜の化石っぽいモノが写っていた。薄い赤茶色の砂岩の中に黒いシミのように埋まって、細長い物体の輪郭が確認できる。太ももの骨に見えなくもない。
一緒に写ったハンマーの倍ほどの長さだから、それなりに大きい動物のものだろう。ほかにも脊椎のような形をした物体が散らばっている。化石はまだ現地に残されているらしい。ほ、ホントに恐竜なのか⁉ 骨化石の研究はあまり経験がないけれど、これは重要な発見かもしれない。
そこからが早かった。5か月後の2019年10月、私はフェルガナ盆地に降り立った。
〝ダイナソー小林〟先生こと、北海道大学の小林快次博士にも同行してもらった。小林先生は百戦錬磨のフィールドワーカーであり、私が大学4年生の時の指導教官だったから、とても心強い。慣れない野外調査でも、小林先生がいてくれれば安心だった。
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