シリコンバレー、他国がまねても失敗する根本理由 表面だけを見ていてはわからない深い背景
前編:50年前、無名の土地がシリコンバレーになった歴史
大胆なビジネスリーダーがシリコンバレーを生んだ
ロナルド・レーガンは正しかった。ハイテク革命は、アメリカでしか起こりえないものだった。そして彼をはじめ実に多くの人々は、ジョブズやゲイツ、ヒューレットとパッカードといった起業ヒーローをほめそやして正解だった。
シリコンバレーは、ビジョンを持った大胆なビジネスリーダーなしには決して生まれなかった。レーガンとその保守派仲間はまた、規制が強すぎて国有化が進みすぎた産業は起業的イノベーションの大きなハードルとなりかねないという点で正しかった――世界中の無数のシリコンバレーを目指す地域がそれを実証している。
だが自由市場と個人としての起業家、まったく新しい経済を讃える中で、シリコンバレーの神話は現代ハイテク産業における、もっとも興味深い、先例のない、本質的にアメリカ的なものを置き忘れてしまった。
というのも、こうした起業家たちは孤独なカウボーイなどではなく、非常に才能ある人々だが、その成功を可能にしたのは他の多くの人やネットワークや制度だったからだ。そうしたものとしては、両党の政治リーダーたちが口をきわめて批判し、多くのハイテクリーダーたちが眉ツバ視したり、ときには露骨に敵意を示したりした、大きな政府的な計画もある。
原子爆弾から月面着陸からインターネットのバックボーンとそれ以外まで、公共投資は科学と技術的な発見の爆発を促進し、その後何世代ものスタートアップの基盤を提供したのだ。
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