ところで、「単なる逃げ」うんぬんという外野の声は無視しましょう。就職というゴールは一緒だとしても、そのやり方や時期は個々人の考えに応じて前後があっていいと思います。私だって卒業後の4月1日に晴れて社会人になったわけではありません。
それよりも、自分が納得する就職をいかにするかというほうが大事ですから、ぜひ、周りに合わせるのではなく、今の時期にしかできないと自分が信じることや、自分自身の将来にとって役に立つと信じることをやり遂げる勇気を持ってください。
留年を前提とするべきではない
さて、ご質問の根本たる卒業を1年遅らせるか否かですが、ぶっちゃけた話、留学前後で考えも変わるでしょうし、世の中の常識の逆を行ってみる努力をする前から、現時点で卒業を遅らせるか否かという2択でハッキリと決める必要もないのでは、と思っています。
悩まれているのが、「その時期に帰ってきて就職ができるか否か」ということかと思いますが、今どきは留学生向けに通期採用などをしている会社も多いです。そのようにうたっていなくとも、事情が事情だけに時期的な融通を利かせてくれる会社もあるのでは、と思います。
したがって、「7月帰国なので就職が無理とあきらめて留年する」という選択肢は、なしだと思います。少なくとも、それを前提とすべきではありません。たとえば、採用開始とともに留学先からコンタクトを取ってみるなどの努力をすべきかと思いますし、実際にそういった行動をして就職につなげている学生さんもいます。
私の勝手な思い込みかもしれませんが、留学のひとつの利点は、自分自身の個性を磨いて意見を堂々と言える勇気を身に付けるということでしょう。就職時にこそ、そういった強みを発揮すべきです。採用する側もそういった元気な学生さんを求めていると思います。
反対に、ご自身が留学終了後にやりたいことがあり、そのためには時間的な制約で留年せざるをえないのであれば、堂々と就職活動をしないという決断をするべきだと思います。
要はR.H.さんとして最初に考えるべきは、「意思のある留年か否か」ということです。ご質問の①に関連しますが、意思や目的のある留年であれば、採用側もそんなネガティブな印象は持ちません。そうでなく「留学して帰ってきたけど時期が時期なので横並びの就職を意識して卒業を1年延ばしました」では、当然、印象はあまりよくないでしょう。
したがって、留年すべきか否かの判断の基準は、「就職できるか否か」ではなく、「ご自身にとってやりたいことを実現するうえで必要か否か」であるべきです。どちらを基準とするかによって、就職時に相手に与える印象も異なるのです。
また、友人が少なくなるうんぬんは、判断基準に入れる必要はありません。正直、そんなことでいなくなる友人は大した友人ではありませんし、友人とは無理に作るものではないですからね。
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