ただ、いただいた文章を額面どおりに受け取ると、就職について非常にまじめに考えられているようです。そういった意味では、少なくとも最初から留年をして遠回りする前提で物事を考える必要はないと思います。
インターンなどは、正直、留学せずともできる選択肢です。R.H.さんにとって、ほかの学生との差別化にはつながりません。こんな言い方をしてはいけませんが、あくまでも体験レベルでしかありません。
本当に仕事や就職へのモチベーションが高いのであれば、先ほどの例示のとおり、留学中でも入りたい会社にコンタクトを取ってみるなどの情報取集は可能ですし、休みを利用して一時帰国(その際に面談してもらう)ということも可能です。
ちなみに、就職が大きな目的であるビジネススクールの学生たちは、在学中はもちろん、入学前から企業とのコンタクトを開始したり(1年制の欧州系スクールの場合)、電話インタビューや一時帰国を駆使するなどは当たり前です。学部の学生さんでも、そういった手法を取っている方もおり、それによって採用までつながっているケースは多いです。
要は「卒業を遅らせる」という前提にくみしない行動力を見せて、留学したなりの差別化を積極的に見せていく、ということですね。
ちなみにこんなことを言っていると、「早く就職せい」と勧めているように聞こえてしまうかもしれませんが、私自身は卒業してすぐ就職するという世間の常識に従う必要は、まったくないと思っている人間です。実際に就職時期を含めて、自らの選択として、実際、王道とは外れまくって生きてきました。ただ、そうは言っても世間の常識という壁があることも事実ですから、その逆を行こうとする場合は、逆を行きながらも最終的には王道からも認められるようにならないといけませんので、それなりの嗅覚と気合いと覚悟が必要なのも事実です。
留年のモチベーションはどこにあるかを考えよう
話は戻りますが、したがって、「留年を考える本当のモチベーションは何ですか?」ということです。
ポジティブなモチベーションであり、なおかつ自分自身の選んだ道を突き進む意思があれば、道は開けるでしょう。そうでないと「そもそも何のための留学だったっけ?」となりかねません。
後で後悔しないためにも、会社からどう思われるか、または友人を含めた周りからどう思われるかなんぞは、正直、どうにでもなることですので、決断を下す基準はR.H.さんご自身の考えによるべきですし、決断の基準が自分か外野かによって、就職を含めたその結果は異なるのです。
学生と社会人の大きな違いはいろいろとあるかとは思いますが、ひとつ挙げるとすれば、「自分自身の人生を生きているか」だったりします。それであれば、今回の基準をどこに見いだすか、それがR.H.さんの社会人に向けた最初の一歩なのかもしれませんね。R.Hさんが将来につながるような、実りある最初の一歩を踏み出すことを応援しております。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
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