次に祖父宅から徒歩10分ほどの実家を訪れた。東京の自宅から連れてきていた飼い猫の状態を確認するためだ。ロシアンブルーのメスで2歳。トイレや簡易ケージと共に置いていた部屋に入り、「おそばー、どこだー?」と名前を呼んだ。
普段なら「にゃーん」と甘えた声を出しながら、すぐにすり寄ってくるのに、何の反応もない。捜索すると、タンスと壁の隙間に隠れて身を縮こまらせていた。抱き上げると、瞳孔を開いたまま、ガタガタと震え出した。
「怖かったな、ごめんな」。声をかけながら頭をなでると、震えは一層強まった。かわいそうだが、避難先のホテルへ連れて行くことは叶わない。エサ皿にキャットフードをたんまりと盛り、好物の「CIAO ちゅ~る」や猫用スナックを出したうえで、後ろ髪を引かれながら、部屋のドアを閉めた。
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