グローバル時代の成功のカギはダイバーシティ~「アジア内需」のチャンスを生かす《6・最終回》BOPビジネスの成功には多様性を受け入れる組織が必要

グローバル時代の成功のカギはダイバーシティ~「アジア内需」のチャンスを生かす《6・最終回》BOPビジネスの成功には多様性を受け入れる組織が必要

パク・スックチャ アパショナータ代表

前回、ご紹介した現地に合わせた製品の提供は、中間所得者層(世帯の年間可処分所得が5000ドル以上3万5000ドル未満)が主な対象となる。では、それ以外の多くを占める低所得層向けのビジネスはどのように進めていけばよいのだろうか。

最近、注目されているBOP(ベース・オブ・ピラミッド、Base of the Economic Pyramid)は、途上国などで年間3000ドル未満で暮らす低所得者層のことを言う。世界人口の約7割、40億人を占め、潜在的市場規模は5兆ドル(約4兆円)と試算される。このBOPの多くはアジアに居住している。

この所得層向けのビジネスである「BOPビジネス」は、単に利益を上げるだけでなく、貧困問題の解決や貧困層の生活向上も目指すことが特徴だ。ビジネスを行いながら貧困削減にも取り組むというわけだ。貧困撲滅だけが目的だと「慈善事業」だが、利益を上げることも提示し「ビジネス」として位置づけたところが新しい視点である。

BOPビジネスは、途上国での社会的課題に取り組むNPOや援助機関などと連携して進めることで成果が上がる。意義のあるビジネスを行うということで、従業員の意欲向上にもつながる。

しかし、BOPビジネスを軌道に乗せることは簡単なことではない。時間はかかりリスクも伴う。NPOなどは企業と考え方が異なることも少なくない。多様な意見を受け入れることができる組織でないとうまくいかない可能性も高い。

具体的な取り組みとしてよく挙げられるのが、調味料、洗剤やシャンプーを少量の小袋に分け、貧困層でも買える安い価格で販売することだ。一袋の値段は1~5円程度と現地の人でも買える価格にしている。一部日本企業でも味の素やユニ・チャームがこうしたビジネスに取り組んでいる。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 最強組織のつくり方
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「ニッポン半導体」敗北の真相
「ニッポン半導体」敗北の真相
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT