グローバル時代の成功のカギはダイバーシティ~「アジア内需」のチャンスを生かす《6・最終回》BOPビジネスの成功には多様性を受け入れる組織が必要
ただ、だからといって何もやらないというわけにはいかない。こうした状況が続くと、将来、BOP社会の購買力が高まっても、日本企業は「なじみがない」などの理由であまり注目されないかもしれない。多様性のない日本企業は世界から見向きもされなくなる時代が来る危険性がある。グローバルのニーズに対応できるように多様性を活かす組織作りを早急に始める必要があるだろう。
さて、これまでの連載で見てきたように、新興国市場は大きなビジネスチャンスをもたらす。しかし、ここで成果を上げるためには日本の過去の成功体験は通用しにくい。
アジアは巨大人口を抱えるが、1人当たり所得は低く、それぞれの国内でも地域により大きな格差がある。宗教、文化や生活習慣などの多様性も複雑だ。技術力や商品の質だけでは通用しないのだ。
こうしたアジアで成功するためには、製品、サービス、人材、そして発想の徹底した現地化がカギを握る。そしてそれを推進するためのグローバル人材が世界の企業から求められている。今後の日本企業のグローバル人材育成に期待したい。
パク・スックチャ
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