グローバル時代の成功のカギはダイバーシティ~「アジア内需」のチャンスを生かす《6・最終回》BOPビジネスの成功には多様性を受け入れる組織が必要

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 ただ、だからといって何もやらないというわけにはいかない。こうした状況が続くと、将来、BOP社会の購買力が高まっても、日本企業は「なじみがない」などの理由であまり注目されないかもしれない。多様性のない日本企業は世界から見向きもされなくなる時代が来る危険性がある。グローバルのニーズに対応できるように多様性を活かす組織作りを早急に始める必要があるだろう。

さて、これまでの連載で見てきたように、新興国市場は大きなビジネスチャンスをもたらす。しかし、ここで成果を上げるためには日本の過去の成功体験は通用しにくい。

アジアは巨大人口を抱えるが、1人当たり所得は低く、それぞれの国内でも地域により大きな格差がある。宗教、文化や生活習慣などの多様性も複雑だ。技術力や商品の質だけでは通用しないのだ。

こうしたアジアで成功するためには、製品、サービス、人材、そして発想の徹底した現地化がカギを握る。そしてそれを推進するためのグローバル人材が世界の企業から求められている。今後の日本企業のグローバル人材育成に期待したい。

パク・スックチャ

 アパショナータ代表&コンサルタント ワークライフバランス/ダイバーシティ 日本生まれ、韓国籍。東京で聖心インターナショナル・スクールを卒業。米国ペンシルベニア大学経済学部BA(学士)、シカゴ大学 MBA(経営学修士)取得。米国と日本で米国系企業に5年間勤務。その後、韓国延世大学へ語学留学。日本に戻り米国系運輸企業に入社。同社にて日本・香港・シンガポール・中国など、太平洋地区での人事、スペシャリストおよび管理職研修企画・実施を手掛ける。2000年2月に退社。同年12月に日本で最初にワークライフバランスを推進するコンサルタントとして独立。企業での社員の意識改革、働き方改革および教育研修に携わる。また、米国とアジアに精通したグローバルな経験を生かし、ダイバーシティ(多様性)推進に力を注ぐ。企業にもメリットをもたらす手法で進める在宅勤務導入コンサルティングで成功実績を出し、企業での在宅勤務(テレワーク)も専門とする。著書『会社人間が会社をつぶす−ワーク・ライフ・バランスの提案』(朝日選書)など。
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