名車と呼ばれる日本車には、モータースポーツとの関わりが深いモデルも多い。1990年代に一世を風靡した三菱自動車(以下、三菱)の2代目「パジェロ」もその1台だ。
世界一過酷なオフロード競技「ダカールラリー」で数多くの栄冠を手にした本格的オフロード4WD(4輪駆動)車で、1990年代に巻き起こったRVブームを牽引した。比較的高級なモデルながら、当時の新車月間販売台数で1位を獲得したこともあるほどの人気を博し、軽乗用モデルの「パジェロ ミニ」などの派生機種まで誕生。パジェロ・シリーズは、当時、三菱を代表するブランドにまで成長した。
ここでは、1990年代の三菱車を象徴する名車の1台、2代目パジェロを振り返ってみる。
パジェロの歴史とダカールラリー
パジェロは、1982年に初代モデルが登場した。日本をはじめ、海外でも個人ユーザーのレジャーユースとして、本格的な4WD車の需要が伸びていた時期だ。当時、三菱の4WD車には、アメリカ・ウイリス社との契約により、1952年からノックダウン生産を続けていた「ジープ」があったが、ライセンス契約により輸出はできなかった。
また、より一般ユーザー向けに、乗用車的な快適性や都会的な雰囲気を持つモデルのニーズも高かった。そうした背景により、当時の三菱が、自社開発の4WD車として生み出したのが初代パジェロだった。
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