そして、まさに三菱を代表するモデルとなったパジェロは、その後、シリーズ化された。1994年に軽乗用車版の「パジェロ ミニ」、1995年には1.1Lエンジンを搭載した「パジェロ ジュニア」が登場。1998年にはコンパクトカーの「パジェロ イオ」も投入するなどで、三菱は、パジェロのブランド力を活かした幅広い商品展開を行っていた。
終焉の後継モデルへの期待
パジェロは、その後、1999年に3代目、2006年には4代目が登場したが、国内仕様車は2019年の「パジェロ ファイナルエディション」を最後に生産終了(主な理由は販売不振といわれている)。また、世界170以上の国と地域に輸出されていた海外仕様車も、2021年に生産を終了した。これにより、1982年の初代モデル以来、生産台数で約300万台を誇ったパジェロは、39年の歴史に幕を下ろすこととなった。
なお、ダカールラリーでも、歴代モデルは、7大会連続を含む通算12回の総合優勝を飾るなど、輝かしい戦績を残した。三菱は、パジェロで培った4WD技術やSUVづくりのノウハウについて、「今も当社の製品に活かされています」と言及する。つまり、市販車としてのセールスが成功したことで一時代を築いただけでなく、現在のクルマにも継承される数々のテクノロジーなどを生み出してきたのが、パジェロというクルマだといえる。
国内でパジェロ復活の可能性は?
ちなみに、現在、海外専用車には、「パジェロ スポーツ」というモデルも存在する。こちらはミッドサイズのSUVで、日本で1996年に登場した「チャレンジャー」が源流だ。3代目となる現行モデルは、洗練された力強いエクステリアデザインと上質さに快適性を兼ね備えたインテリアが特徴。高級SUVながら、耐久性に優れるラダーフレームを装備するなどで、オフロードでも高い走破性を持つモデルだ。
そして、このパジェロ スポーツについては、「国内でも販売されるのでは?」といったウワサがたびたび聞こえる。その背景には、日本における「パジェロ」ブランドの求心力が、いまだに脈々と生き続けていることが考えられる。とくに1990年代のRVブームを知る多くの三菱ファンにとって、「パジェロ」の車名が付いたモデルはとても魅力的ではないだろうか。後継車を望むそうしたファン心理が、パジェロ スポーツ国内導入のウワサにつながっていることも考えられる。
いずれにしろ、なくなった今でも色あせない輝きを持つのが、パジェロというモデルだ。とくに2代目は、現在のSUV人気の先駆け的モデルといっても過言ではない。当時のパリダカ人気やRVブームを知る筆者としても、ぜひ復活してほしいクルマの1台だ。
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