親が悩む「性教育」先進校の事例でヒントを探った 6年間で約60時間のカリキュラムを実施する
出産体験では、「生まれる側から捉えさせたい」という意図のもと、布団カバーと大人用の腹巻きで作った子宮と産道を使って「生まれてくる」体験もする。
本物の胎盤より大きい手作りの胎盤からへその緒をつなげ、へその緒の先をズボンに挟んで、手を使わずに出てくるのだ。
思春期前に、生殖の性を知っておくことで、性の主体者となる高学年で思春期のからだ、こころの変化とともに改めて「ふれあいの性」「支配する性」を学ぶときの受け入れ方は変わってくる。
「からだはプライベートパーツの集合体であり、科学的に学んでいくことが大切。子どもたちの姿を見ていると、幼児期、小学校低学年の時期から「からだの権利」について学んでおくことがとても大切であると感じる。性教育は、生殖の性、二次性徴の学習だけではない。自分自身のからだも周りの人のからだも大切なものであるという感覚を小さいうちから育むことが、SNSでのトラブルにつながる問題に気がつくことにもなるのではないか」(北山さん)
親が性教育を受けていないなら、一緒に学べばいい
北山さんが5年生の授業後に児童へ宛てたメッセージに「からだの仕組みを知ることが、自分自身のからだ、パートナーとなる人のからだを守ることになる」と書かれていた。
これは、性教育を受けていない私たち大人に向けられた言葉のようでもある。
一朝一夕にいかないからこそ、性教育は難しい。しかし、性教育は本来、性犯罪から身を守るために怖がらせるものではなく、将来を幸せに生きるためのお守りになる大切な知識だ。
親が性教育を受けていないなら、子どもと一緒に学べばいい。科学的に学ぶ性教育は、親子の絆を深めてくれるきっかけとなってくれるはずだ。
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