そして大学だけが2014年の2.4万人余から2.8万人とやや増加している。最も競技人口が多い中学校の減り方が著しい。また大学以外の各カテゴリーも減少傾向にある。この数字を2014年を「100」として増減を見るとこうなる。
ここ10年、中学の減少率は41.5%、高校は24.6%、小学校は17.7%だ。
その中で大学だけが2014年よりも競技人口が増えているが、これは私学を中心とした新興大学が、学生数の獲得を目指して野球部員数を増やしていることが大きい。しかし大学も2018年をピークとして競技人口は足踏みを続けている。
子どもが野球を始めるのは、早ければ小学校の低学年、遅くとも中学生の間だ。高校に入っていきなり野球部に入る子どもは少ない。そんな中で2023年、中学の競技人口は12万9454人、高校は12万8357人と数字が近接している。
中学硬式野球リーグでも入団希望者は…
近い将来、中学の野球人口が高校を下回るようなことがあれば、高校野球の競技人口は一気に減少するのではないかという危惧があるが、実は中学野球には、学校部活のほかにボーイズリーグ、リトルシニア、ヤングリーグ、ポニーリーグ、フレッシュリーグなどの「中学硬式野球リーグ」がある。
これらは「野球塾」「野球予備校」と呼ばれ、強豪高校野球部への人材供給源となっている。中学硬式野球の競技人口は合わせて5万人程度とされる。この中学硬式野球が、今の甲子園を頂点とする高校野球を支えている。
筆者は今年6月、WBCで日本が世界一になってから、ボーイズ、リトルシニア、ヤング、ポニーの4リーグに「入団希望者は増えているか?」と問い合わせたが、ポニーを除く3団体は「増えていない」とのことだった。唯一ポニーだけが入団希望者が増えたが「WBC人気とは関係ないと思う」とのことだった。
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