奨学金返しながら1200万貯金、30歳彼女の人生観 不遇を嘆いているだけでは、未来は変わらない

✎ 1〜 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 最新
拡大
縮小

一方で、過去のデータやシミュレーションを見ると、インフレは今後も続く。それに対して、投資の素人でも期待値高く成功できる可能性が高いのがインデックス投資と言われている。インデックス投資は一時的な下落はあるけれども、過去200年のデータを見ると右肩上がりであり、インフレに対する対応策になるとされている。

とはいえ、貯金は減ることはないが、インデックス投資は減るリスクがあるからこそ、多くの人が躊躇するのだろう。

「1984年からの40年間の過去データで言うと、平均で5年に1回下落が起きています。それなら、投資しないほうがいいという発想になるわけですが、インフレによって貯金の価値が下がっていくリスクもあります。

下落は一時的ですが、インフレはずっと続くとされています。それを比較して、私はインデックス投資を選択しました。もちろん将来の話なので絶対はありませんが……。

とはいえ難しいと感じる方も多いと思うので、NISAに限らずYouTubeで私は投資や金融知識について整理してお伝えすることをやっています。私もそうだったので、お金に悩む方にとって考えたり学んだりするヒントになり、節約や資産構築の一助となれば嬉しいです」

「貯金はメンタルが9割」

ふゆこさん書籍
『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

厳しい社会に、不遇な状況に生まれたことを嘆くことをやめてみて、まずは自分で対策できることから始める。自分を低く見積もりすぎることをやめて、転職等で新たな世界へと足を踏み入れる。そのような地道な努力を重ねることで、節約や貯金にも前向きに取り組めるようになる……。

自身の節約・蓄財経験を通じて、「貯金はメンタルが9割」と語るふゆこさんの言葉は、説得力に満ちている。

新NISAについて興味関心を抱き、勉強を「始める」人が増えつつある印象がある。もちろん勉強そのものもとても大切だが、投資には「心の安定感」と「種銭」が何より重要だ。

そういった意味でも、「始める」のと同時に、「自分自身を、諦めることをやめる」ことが、重要なのだろう。

(構成:横田ちえ)

本連載では節約・資産形成について話を聞かせてくださる方を募集しています(身バレ防止には最大限の配慮をいたします)。くらまさんと話してみたい方は、応募フォームからご応募ください。
この連載の一覧はこちら
くらま 倹者の流儀/節約系ユーチューバー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くらま / KURAMA

ファイナンシャルプランナーの資格を有する会社員。東京都内で一人暮らしをしながら、社会人1年目で奨学金約300万円を完済。4年半で貯蓄2000万円を達成する。その貯蓄術やお金のノウハウを発信するYouTubeチャンネル「倹者の流儀」が大きな話題に。自身の成功・失敗体験を踏まえた本音の教訓と、分かりやすい解説で、多くの支持を得ている。著書に『すごい貯蓄 最速で1000万円貯めてFIREも目指せる!』(KADOKAWA)がある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT