そんな環境で耐えて働いても業績悪化で給料カット。さらに、奨学金477万円の返済や将来年金がどれだけもらえるかわからない状況に対して、自身の将来を悲観していた。
「環境が悪いから、自分がうまくいかないし、お金も貯められない」
そんなふうに、思っていたそうだ。
しかし現実問題として、嘆いているだけでは未来を変えることはできないと考えるようになった。ただし、ここで注意すべきは「自己責任」で片づけられる話でもないという点だ。
「最近は自分がいる環境や社会状況の問題も『自己責任』と責められてしまう論調がありますが、私はこれが好きではありません。とはいえ、環境が原因でも、事実として対策は自分でしていくしかないというのはありますよね。
だから私は『原因自分論』ではなく、『対策自分論』と捉えるようにしています。自分の責任でないにせよ、自分ができることに目を向けて、対策をしていく。社会や他人を変えるのは難しいですが、自分の行動は選べます。こう考えたほうが、希望はあると思っているんです」
「対策自分論」を持つことで、できることに集中する
コントロールが可能な自分自身の考え方や行動を変えていくことで、少しでもストレスをなくし、自分ができることに集中して、穏やかな気持ちで前に進めるようになる。これがふゆこさんの言う「対策自分論」である。
「一方で難しいのは、やはりどうにもならない環境の方もいらっしゃると思うんですよね。そこのバランスが難しいなとは思うんですけど……。そこはやっぱり社会福祉で守られるべきだと思うし、うまく行政や税金で回っていくといいと思っています。
もう周りを頼れるだけ頼ることはすごく大事ですね。周りの手を借りる、助けを求めることも含めてやっていくことが『対策自分論』です。頼るのも重要なスキルだと思うんですよ」
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