東大生語る「意外と間違って理解」ある言葉の意味 「変化」の正しい意味を理解できているか?
答えるなら「AがBになった」とすべきです。これならば、変化前と変化後が一目瞭然。「花に実がなった」だけではなく、その前の状態がどうだったか書かないといけません。
「前は元気がなかったけれど、今朝は元気になって実がついた」「昨日までは芽が出ていなかったけれど、今朝見たら双葉が出ていた」のように、変化前と変化後を伝えなくては「変化」を説明したとは言えません。
さらにいうなら、そこには「変化した理由」があるはずです。なんらかの理由によって、「元気がない」→「元気になった」と変化したはず。ですから、理由も答える必要があります。
変化を聞かれたら、「AがBによってCになった」と、変化前・変化理由・変化後の3つが揃って、完璧な回答になるわけです。例題の回答を考え直してみましょう。
Q.この花は、1週間前と比べてどう変化しましたか?
A.それまで元気がなくて実がなっていなかったが、肥料を与え続けた結果、やっと実がなるようになった。
この回答であれば、変化前の様子、変化理由、変化後の様子を説明できていますね。これら3つの要素を含んでいないと、「変化」を聞かれたときの回答としては不十分。変化を聞かれたら、このように回答しなくてはいけません。
普段から意識するべき「言葉」の使い方
ここで「変化を聞かれる場面なんてそうないだろう」と思われたかもしれません。
ですが、変化は多くの場面で問われます。たとえば「増加」は変化を示す言葉です。「増えた」は「少なかったものが多くなった」変化を表すからです。
「増加した」といいたいときは、「5人に増えた」と、変化後だけを説明するのは不十分。変化前に何人だったのか、なぜ増えたのかまで入れて、「もともと3人しかいなかったが、遅刻者が参加して5人に増えた」と言うべきです。
また、「○○化」もおしなべて変化です。「砂漠化」を「砂漠が増えること」と変化後だけ説明するのは不十分。「元々砂漠ではない地域が、環境汚染などによって砂漠になること」として、初めて正しい説明になります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら