日本でも35人に1人が実践「前向きな離職」の正体 職場でのモヤモヤを解消する「キャリアブレイク」

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また、キャリアブレイクには休職者も含みますので、実態としてはもう少し多いはずです。

労働者の0.4%(令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」)が連続1カ月以上の休職をしているので、常用労働者5109万人で計算すると約20万人。あくまで概算ですが、毎年167万人もの人がキャリアブレイクを行っていると推定できます。

キャリアブレイクが当たり前の時代はすぐそこに

これがどれくらいの人数か政令指定都市の人口(令和2年)と比べてみます。

『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

8位の京都市から順番に上がっていくと、8位:京都市146万人、7位:神戸市153万人、6位:川崎市154万人、5位:福岡市161万人、4位:札幌市197万人、3位:名古屋市233万人、2位:大阪市275万人、1位:横浜市378万人と続きます。

キャリアブレイクした人たちが集まると、福岡市と札幌市の人口のあいだくらいの人がいます。

びっくりするほど少ない数ではないことがわかります。

電車や街中を見渡すと、みんな真面目に働いていて、無職なんていないように見えるかもしれませんが、キャリアブレイクはすでに日本で文化になりつつあるようです。

北野 貴大 一般社団法人キャリアブレイク研究所、代表理事

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きたの たかひろ / Takahiro Kitano

大阪市立大学卒。2014年、JR西日本グループに入社。JR大阪駅ビルの「ルクア大阪」をはじめ商業施設の企画マーケティングに従事。2022年、企画マーケティングを行う合同会社パチクリを起業・独立。2022年10月に、一時的な離職休職を肯定的に捉える「キャリアブレイク」という欧州の文化を輸入する一般社団法人キャリアブレイク研究所を設立。「月刊無職」の発行、オンラインコミュニティ「むしょく大学」や「無職酒場」などの活動、また法政大学大学院の石山恒貴教授と共同研究を行なっている。

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