日本でも35人に1人が実践「前向きな離職」の正体 職場でのモヤモヤを解消する「キャリアブレイク」

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無職=自給自足やFIRE、のように、不労ながら生活できる状態を整えていく人たちもいます。

こういった無職を目指している訳でもなく、一時的に無職になっているだけで、その後は仕事に戻ったり新しい仕事を探したりと、不労所得を目指している人は少ないです。

このように、無職と総称してしまうことで、そこに含まれるそれぞれ違う意図を持った人々を理解するのに誤解を招くことが多くあるように感じます。

実は35人に1人がキャリアブレイク中

日本では受け入れられづらいように感じるキャリアブレイクですが、離職期間なしで転職した人は全体の26.1%(厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」)です。

実は、転職者全体の73.9%の人が離職期間ありで、大なり小なりキャリアブレイクをつくっています。

もちろん中には、次の仕事が決まった上で離職し、前の会社の退職日から次の会社の入社日まで少しの休憩を取るために期間をあけるミニキャリアブレイクの人もいると思います。

そんな人を勘案して、1カ月以上の離職期間をあけて仕事に戻る人に絞ったとしても46.3%の人がいます。

同じ年の転職者数は319万人(令和2年の総務省「労働力調査」)だったので、令和2年に1カ月以上の離職期間を持った人は147万人と推定されます。この数字は、簡易に出した概算なので、全体像をつかむざっくりとした数字としてご認識ください。

147万人いるということは、令和2年の常用労働者は5109万人(令和2年の厚生労働省「雇用動向調査」)でしたので、35人に1人が1カ月以上の離職を伴うキャリアブレイク中だったことになります。

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