中国の「朱雀2号」ロケット、衛星の軌道投入に成功 民営のランドスペース、後継機「朱雀3号」も開発

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今回の打ち上げ成功の直後、ランドスペースは後継機として開発中の「朱雀3号」の概要も公表した。

「朱雀3号」は打ち上げ能力を大幅に増強すると同時に、機体の一部を再利用可能なロケットを目指す。写真は完成イメージ図(ランドスペースのウェブサイトより)

エンジンの推進剤には(朱雀2号と同じく)液体酸素とメタンを使い、機体を全長76.6メートル、直径4.5メートル、重量660トンに大型化。低軌道への衛星運搬能力は21.3トンに増強され、しかも機体の一部を(打ち上げ後に)回収して再利用できる設計になっている。

液体酸素メタンが今後の主流に

本記事は「財新」の提供記事です

液体酸素とメタンの組み合わせは、ロケットの推進剤としての効率が高く、燃焼がクリーンで、製造方法も容易だ。低コスト化が求められる商用ロケットにとって多数のメリットがあり、将来は推進剤の主流になると期待されている。

「今後5年間で、中国および世界の商用ロケットの推進剤はすべて液体酸素メタンに置き換わるだろう」。ランドスペースの創業者でCEO(最高経営責任者)を務める張昌武氏は、そう予想する。

(財新記者:黄晏浩)
※原文の配信は12月9日

財新 Biz&Tech

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