郵便番号はあるのに実体がない「幻の地名」の正体 廃れて消えた町もかつて誰かの故郷だった

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最盛期はここだけで2万人を擁し、南部地区(南大夕張)とともに夕張市から分離独立して市制施行を、という話も出たほどだが、昭和48年(1973)に炭鉱が閉山して人口が流出し、数百人にまで減少したところで現在の夕張シューパロダムの建設が決まり、その後は無人のエリアとなった。地図から地名は消え、今ではそのダムが堰き止める「シューパロ湖」の文字だけが記されている。

夕張シューパロダムが完成した現在。地名はなく、かつての市街は無人の森や野原と化した。湖面に見える影は湛水以前の地形。「地理院地図」令和3年5月1日ダウンロード

無人となっても「町名」は残っている

ところが最盛期に存在した町名は、実は現在も行政字名として残っている。それぞれ「鹿島」を冠して鹿島明石町、千年町(図の「千歳町」は誤り)、錦町、宝町、富士見町、緑町、栄町、弥生町、代々木町、春日町、北栄町、常盤町、白金の計13町で、かなりの部分が水面下に没した現在の人口はいずれも0だ。

それでも郵便番号が7桁になった時点には少数ながら住民がいたためか番号は割り振られ、明石町は068-0662、千年町が0663、錦町が0664、宝町が0665など(以上下4桁のみ)と、現在でも郵便番号検索をすると当たり前のように出てくる。

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