訴訟地獄でグーグルの2024年は「試練の年」に 重要独禁裁判の結審連発、事業暗転の流れも?

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首都ワシントンD.C.で進んでいる司法省との裁判は、圧倒的なシェアを誇るグーグルの検索エンジンが焦点となっており、来年5月に最終弁論が行われる予定。さらにバージニア州の連邦裁判所では、グーグルのオンライン広告事業に関する別の反トラスト裁判が進行中だ。

揺らぐグーグルのビジネスモデル

2024年末までにグーグルは事業のあり方を大幅に変更する必要性に直面し、全国の法廷で何年もかかる上訴を行うことになっていく可能性がある。

「グーグルにとって、先行きが極めて不透明な時期だ。彼らは2〜3年後に自らのビジネスがどのようなものになっているか確信を持つことができない」。司法省で反トラスト法弁護士を務めた経験を持つカルドーゾ・ロースクールのサム・ワインスタイン教授は、取材に対しそう語った。

大手テック企業に対しては、世界中の規制当局や政治家たちから、ビジネス、政治、日常に対して巨大な力を持ちすぎているとして規制上の反発が広がっているが、これらの裁判もその一部といえる。

民主党のエイミー・クロブシャー上院議員(ミネソタ州選出)は11日の評決に乗じて、大手テック企業を抑え込むために自らが推進している立法活動を加速させようとしている。

「消費者法をデジタル時代に合わせてアップデートするため、私たちは議会で次の段階に進まなくてはならない」と、クロブシャー氏は声明で述べた。

グーグルは今回の評決を不服として上訴する方針だ。「アンドロイドのビジネスモデルを守り続ける」と、グーグルの政府問題担当副社長ウィルソン・ホワイト氏は声明の中で語った。

さらに同氏は、この裁判によって「当社がアップルとそのアップストアだけでなく、アンドロイド端末やゲーム専用機のアプリストアとも熾烈な争いをしていることが明らかになった」と付け加えている。

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