国公立大0→20人合格「生徒が半年で激変する訳」 小論文指導で飛躍する「福岡女子商」の舞台裏
3年生の4月、「小論文のすごい先生が来る」と前評判だった柴山先生が着任。日高さんは迷わず小論文の講座を受け始めた。
しかし、学年で成績トップクラスの彼女でも、初めは問題文を理解することすら難しく、1本書くのに何時間も苦悶。新聞や本を読み、先生の解説を聞いて練習を重ねるうち、少しずつ書けるようになった。
「どんどん知識を吸収するのが楽しくて、国内外のさまざまな政策から事例を出して答えられるように。友達のほうが上手で焦ることもあったけど、みんなで励まし支え合った半年間でした」
「地域に密着した大学で学びたい」と、佐賀大学経済学部経営学科を志望。11月に小論文の推薦試験を受け、見事に合格。「親族で大学に行った人がいないので、すごいねとみんなが喜んでくれました」
挑戦すれば、みんなが応援してくれる
現在、大学3年生。小論文の推薦枠で入学しても「大学の勉強で困ることは特にない」という。ブランド戦略のゼミで地域の魅力を研究し、将来は佐賀の魅力を伝えられる仕事に就くことが目標だ。
「会社の規模や有名かどうかはまったく気にしてなくて。地域に関わり盛り上げていきたいんです」
部活動にも力を入れてきた。佐賀はアジア最大級の熱気球大会「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が有名で、日高さんは熱気球部に入り、2年生で気球のパイロットの資格を取得。2023年8月にはポーランドで開催された熱気球ジュニア世界選手権に、日本人チームの一員として参加した。
「私の原点は高校時代」と言い切る日高さん。「女子商では、興味があることに思いっきり挑戦しました。すると、挑戦すれば成功しても失敗しても学びがあるし、まわりの人が応援してくれて、さらに頑張れると体感しました。だから、私は大人になっても挑戦を続けていきます」
「高校3年まで、国公立大学について考えたこともありませんでした」と笑顔でゆったり話すのは、山口大学経済学部2年生の石崎さくらさん。
太宰府市出身の彼女が女子商に進学したのは「もともとそんなに勉強が好きじゃなくて、行けるのは女子商か近所の公立高で。学力にコンプレックスがある私としては、女子商なら資格を取れることが魅力でした」
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