意外と知らない「水の色は透明?青?」への答え 世の中の土台を構成する「化学」という教養
水を鍋などに入れてコンロで加熱すると、次第に温度が上がります。水面からは水蒸気が飛び出す「蒸発」が起こっています。温度が上がるにつれて蒸発が盛んになります。
水の内部を見てみましょう。
初めに水の内部から出てくる泡は、水に溶けていた空気です。温度が高くなったため、溶けきれなくなって、泡として出てきたものです。
100℃になると、盛んに内部から泡立ち、沸騰します。沸騰しているときの泡の中身は水蒸気です。沸騰中、水の温度は100℃です。加えられた熱が液体の水分子間の結びつきを切って、ばらばらの水分子(水蒸気)にするために使われるからです。
水蒸気は目に見えるでしょうか?
水が沸騰しているやかんの口からは、白い湯気が見えます。実は湯気のまわりには目に見えない水蒸気があります。水蒸気は、ばらばらの水分子がびゅんびゅん飛んでいる状態です。ばらばらの水分子は目に見えません。水蒸気は無色透明で、その分子は見えないのです。
倍率1500倍程度の性能のいい光学顕微鏡でも、水の分子は見えません。それに対し、目に見える湯気は、莫大な数の水分子が集まっています。その数は幅がありますが、例えば1京個です。
水蒸気でマッチに火がつけられる!?
沸騰している水から出る水蒸気は100℃ですが、その水蒸気をさらに熱すると、温度の高い水蒸気になります。
水蒸気は100℃どころではなく200℃、300℃を超えるような高い温度にもなります。水蒸気は最高で100℃ではなく、300℃を超える場合もあるのです。
これを「過熱水蒸気」といいます。熱くて乾いた感じの水蒸気です。
過熱水蒸気を当てるとマッチに火がつき、紙も焦げ出します。水蒸気でぬれるのでなく、水蒸気で焦げるのです。
私たちは、普段の生活の中で、100℃を超える水蒸気に接する場面はないでしょう。だから「水はぬれやすい」とか「水蒸気はせいぜい100℃までにしかならない」という考えを持っている人が多いのかもしれません。
火力発電所や原子力発電所では、水を熱して「高温高圧の水蒸気」をつくり、この水蒸気を、発電機につながった巨大なタービンに勢いよくぶつけ、タービンを回すことによって電気をつくっています。
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