意外と知らない「水の色は透明?青?」への答え 世の中の土台を構成する「化学」という教養
地球の表面と大気にある水の量は、14億立方キロメートル(重さで1兆トンの140万倍)と推定されています。その97%以上が海水(塩水)です。
淡水は、地球の水全体の3%未満しかありません。しかも、そのほとんどは、南極、グリーンランドなどにある陸上の氷です。地下水、河川や湖沼などの淡水はごくわずかです。
海水は塩分を大きく減らさないと、人が飲むにも植物への水やりにも使えません。
海水から塩分を減らすには莫大な費用がかかるので、私たちが家庭や工業・農業で利用できる水は、地下水、河川や湖沼など淡水ということになります。
海水も淡水も循環している水の一部です。太陽光が海水に当たると、海水から水が蒸発して水蒸気になり、大気中に含まれます。水蒸気は、雨や雪に姿を変えて、地上に降り注ぎます。そして、最終的には海に流れ込んでいきます。
こうした水の循環があるので、私たちは淡水を使うことができるのです。
「氷は0℃」と思っていませんか?
水は、私たちの生活する温度範囲(常温)で、固体、液体、気体の3つの状態を見せてくれる物質です。
常温はJIS(日本産業規格)では20℃±15℃(5~35℃)の範囲とされています。本記事では20℃付近とします。
水は、1気圧のもとで、融点(凝固点)は0℃、沸点は100℃です。水の融点と沸点から、摂氏温度の目盛りが決められています。
マイナス18℃の冷蔵庫の冷凍室でつくられた氷は、冷凍室内で何℃でしょうか?
「氷は0℃」と思っていませんか?
マイナス18℃の場所では、氷はマイナス18℃になります。それを取り出して常温に置くと、まわりからの熱で次第に温度が上がっていきます。0℃になると融けはじめます。融け終わるまで0℃です。
これは加えられた熱が、氷の水分子間の結合を解いて、分子があちこち動ける液体の水になることに使われるからです。
水の分子は、0℃以下の氷の状態では、まわりの水分子とがっちり結びついていて、それぞれの場所から動けません。0℃の液体の状態になると、それぞれの場所を変えて動けるようになります。したがって、液体の水は容器によって形が変わります。
液体窒素はマイナス196℃という低温です。液体窒素の中に氷を入れておけば、マイナス196℃の氷になります。
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