仕事のモヤモヤは「トヨタ式」で解決できる! うまくいかない"真因"を突き止めよう
内容に入る前に、まずは留意点です。経験やスキルのない若手だと、自分の力で解決できるテーマを選びがち。逆に経験やスキルに自信のあるベテランだと、経験則で重要だと感じるテーマを選んだり、解決策まで事前に決めてしまう傾向があります。ご自身の特性を考え、このように感情でテーマを選ぶことがないようにしましょう。貴重な時間の浪費になります。
では、具体的にどのような着眼点で問題を見つけるのでしょうか。
ひとつ目は、皆さん自身が悩んだり困ったりしていること。2つ目は、会社方針や部目標、あるいは、過去や他部署などとの比較。たとえば、足元は前年度比10%アップの売り上げでも、会社方針が20%アップだった場合には、会社方針とギャップがあるので問題となります。
3つ目は、物・人・情報の客観的観察。当社OJTソリューションズが指導している製造業のお客様でも、「自分のやり方は問題ない!」と主張する作業者に対しては、作業の様子を撮影したVTRを見せることがあります。実際に手を動かしているときには問題を感じなくても、客観的に見ると問題を認識できることが多いからです。オフィスであれば、ご自身の行動や業務のプロセスを書き出してみるのもよいでしょう。
重要度・緊急度・拡大傾向で見極める
さて、問題の目星がついたら、本当にそれが価値ある問題なのかを、3つの視点で確認します。
ひとつ目が重要度で、問題の影響する範囲と大きさです。あるひとつの商品のみではなく、複数の商品で発生している問題であれば、より重要度が大きいと言えます。2つ目は緊急度で、放置により問題が悪化する度合いです。日を追ってクレームが増えているなら、緊急度が高いと言えます。3つ目は拡大傾向で、放置すると問題が拡大するかどうかです。自部署だけでなく全社で使用しているシステムのほうが、拡大傾向が大きいと言えます。
次は、価値ある問題を取り組める範囲まで対象を絞ります。当社のお客様で年間数千万円のコストダウンを達成したケースでも、最初から大きな範囲で取り組んだのではなく、小さな問題解決を堅実に繰り返した結果として達成しました。勇気を持って、確実に取り組める範囲まで対象を絞りましょう。
具体的には、データ収集からスタートです。オフィスではデータを取る習慣がないことが多く、まずはここで苦労するかもしれません。データがそろったら、次は層別。層別では、バラつきが大きくなる切り口を見つけることがポイント。たとえば、「売り上げが低迷している」であれば人・商品・顧客タイプ別など、さまざまな切り口が考えられます。その中で最も問題発生件数が多い箇所を、取り組み対象に定めます。このプロセスを経ることで、価値ある問題の中でも最も効果的な取り組み対象を見つけるのです。
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