新NISA最大の悩み「成長銘柄」見極める3つのコツ いちばんシンプルでわかりやすい方法を伝授

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③ROE(自己資本利益率) 

そして3つ目がROEです。Return On Equityの略で、自己資本利益率ともいいます。

その計算式は、

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

です。割り算の分母が自己資本(株主資本)、分子が当期純利益(税引き後利益)なので、株主が出した資本を使って、どれだけ利益を効率よく生み出しているかを表す数字です。「経営の効率性」を測る代表的な指標とされています。

この指標は必ずしも有効とはいえないという意見も一部にありますが、専門的に銘柄を分析するプロの投資家ならいざ知らず、一般の個人投資家であれば、企業の稼ぐ力を表すROEを1つの基準として投資することは問題ないと思います。

ROEは少なくとも15%、できれば20%以上

日本の上場企業の平均的なROEは現在9%程度ですが、アメリカではその倍の18%くらいあります。私は自分で株式投資する銘柄を選ぶ際には、ROEが少なくとも15%、できれば20%以上の企業を候補にしています。

例えば、トヨタ自動車(東証プライム・7203)の過去5年間の実績を見てみると、コロナ禍で一時落ち込んだ営業利益が2022年3月期には急回復し、3兆円に迫る勢いでした。2023年3月期は資材価格の高騰などもあって、前の期より9%減の2兆7250億円になりました。一方で潤沢な営業CFは高水準を維持しており、ROEは10%前後と日本の大企業としては優等生の数字となっています。

これらの3つの数字は会社四季報にすべて記載されているので、簡単に知ることができます。本業でしっかりと稼ぐ力があり、効率よく利益を生み続けることが期待できそうな企業に長期投資するのが、やはり株式投資の基本となります。少なくともこの程度の数字は確認し、同業他社と比較したり、過去の数字の推移と株価の動きを見比べたりするといいでしょう。

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