クオンツ分析の第一人者による4つの投資戦略とスクリーニング方法とは。
PBR1倍割れでも稼げる企業
東京証券取引所が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」を公表して以降、低PBR(株価純資産倍率)銘柄物色の動きが続いている。
一方で、長らく株価水準がPBR1倍未満に放置されてきた企業は、投資家から成長が期待できないと評価されてきたことも意味する。つまり、PBR1倍割れだからといって安易に飛びつけば、業績も株価も伸び悩むという展開になりかねない。
そうした事態を回避するには、「PBR1倍未満」に「ROE(自己資本利益率)8%以上」という条件を組み合わせて選別するのが効果的だ。
ROEは、企業が1年間に稼ぐ純利益の金額を自己資本の金額で割って算出する。日本企業の場合、これが8%を上回っていれば「稼いでいる企業」として評価される。したがって、この2つの条件をクリアしている銘柄こそ、「PBR1倍割れでも稼げる企業」というわけだ。
実際の株価パフォーマンスはどうだったのか。2008年からの株式収益率を表したのが下のグラフだ。結果は一目瞭然。15年間の株式収益率は642%に上り、同期間の日経平均株価の騰落率(70%)を大きく上回った。「会社四季報オンライン」のスクリーニングでは下表のような条件をAND検索で設定すればいい。
①前期ROE:8%以上(>=8.00)
②前期PBR:1倍未満(<1.00)
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