PERだけで「割高・割安」を判断するのは危険だ PERではなく、PEGレシオを参考にすべき理由
PERは参考にならない
PERで株価の割高・割安を判断する個人投資家は多いが、私はほとんどそれに投資判断の重きを置いていない。
なぜなら、PERで株価の割高・割安を判断するのは、いささか危険な側面を持ち合わせているからだ。PERには多分に、その企業に対する期待感が含まれているし、グロース株のように高い成長期待を伴っている企業の株価の割高・割安をPERで測ろうとしても、あまり当てにならない。
グロース株でPERが30倍、40倍をつけたとしても、利益の成長率が極めて高ければ、一概に割高だとは言い切れない面もあるのだ。PERを用いるくらいなら、私はPEGレシオをおすすめする。PEGとはPrice Earnings Growthのことで、次の計算式で求められる。
PEGレシオ=PER÷営業利益の成長率
これによって、そのPERが本当に割安なのかどうかを判断できる。この指標の信頼性をさらに高めるために、過去2期の営業利益の成長率平均を使うという手もある。たとえば過去2期における営業利益の成長率が20%だとして、その企業のPERが40倍だとすると、PEGレシオは2倍になる。