PERだけで「割高・割安」を判断するのは危険だ PERではなく、PEGレシオを参考にすべき理由
一方、PERが同じ40倍でも、営業利益の成長率が10%の銘柄だと、PEGレシオは4倍になる。当然、PEGレシオが2倍の銘柄に比べて、4倍の銘柄のほうが、株価が割高という判断になる。
一般的な株式投資の教科書だと、「PERが低い銘柄の株価は割安だから投資したほうが良い」と書かれているが、私が知っているグロース株の投資家で大きく資産を増やしている人は、PERが低い銘柄と高い銘柄で迷った時に、PERがより高いほうに投資している。そして、実際に資産を大きく増やしているところから察すると、PERは投資判断を下す際にあまり使わなくても良いという結論になる。
割安なら大型株でも投資することがある
私が投資している銘柄は中小型株が中心だが、理屈に合えば大型株に投資することもある。さすがに今では買えない株価になっているトヨタ自動車、ソニーグループ、任天堂も、2018年当時は十分買えるくらいに割安だった。
またコロナ後の日本製鉄をはじめとする鉄鋼株や海運株にも注目した。理由は、業界再編の兆しが見えていたからだ。鉄鋼業界や海運業界は、業界再編の動きが生じると、株価が上昇する傾向が見られる。それと同時に、いずれも株価が極めて割安な水準で放置されていた。
あるいは私がMINKと称している企業群も同じだ。MINKとは、三菱重工業、IHI、日揮ホールディングス、川崎重工業の頭文字を取った造語である。
どの銘柄も中小型株にはほど遠い、非常に大型な企業ばかりだが、それらに注目したのは、株価がありえないほど割安だったからだ。その当時、三菱重工業の時価総額は1兆円を割り込んでいたが、日本の基盤産業で、そのうえ東アジア情勢がきな臭くなっているなかで、防衛産業でもある三菱重工業の時価総額が1兆円割れのまま放置され続けることはないと判断した。
この意味で、「割安+テーマ」は十分、投資する基準になる。大型株でも、株価が割安で、かつ株価を動かすテーマがあれば、十分に投資対象になるのだ。
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