新NISA最大の悩み「成長銘柄」見極める3つのコツ いちばんシンプルでわかりやすい方法を伝授

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ここまでは数字の上での銘柄選びの方法です。投資はお金の勘定の話ですから、数字が大切であることはいうまでもありません。

一方で、企業の本質というのは「世の中の多くの人が持っている課題を解決する」ことにあります。さまざまな課題を解決してくれるからこそ、誰もがその企業の製品やサービスを購入・利用し、結果として企業の利益が上がっていくわけです。

そうだとすれば、1人の生活者として自分が素直に感動した商品やサービスを扱っている企業に投資をする、というのもよい方法だと思います。

具体例を挙げてみましょう。私たちの多くが使っている「iPhone」の初代が発売されたのは2007年です。その年にアメリカのアップルの株を買っていれば、以降の16年間で株価は約60倍になっています。

iPhoneが登場したとき、私たちは大変驚きました。電話、パソコン、スケジュール帳、メモ帳、音楽プレーヤー、カメラ、時計、計算機、ゲーム機といったさまざまな道具が、手のひらに乗る大きさの1台で持ち歩けるようになったからです。これまでになかった利便性に誰もが素直に感動したと思います。

故スティーブ・ジョブズの「誰でも自由にいつでもコンピューターを持ち歩けるようにしたい」という思いが実現された、すばらしい商品。その素直な感動があったからこそ、アップルの業績は大きく伸長し、株価も60倍になったのです。もし16年前に100万円投資していたら、現在は6000万円になっています。

企業の本質は世の中の課題を解決すること

これはアメリカだけの話ではありません。

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日本でも例えば、ファーストリテイリング(東証プライム・9983)という会社があります。日常使いの衣料として「ユニクロ」の製品が私たちの生活に入ってくるようになったのは2000年代半ばです。そのころからだと、同社の株価は15倍以上になっています。手ごろな価格の割に品質が高いので、私も日常的にユニクロの服を着ています。最初に使い始めたときに、満足感がとても高かったことを覚えています。

繰り返しになりますが、企業の本質は世の中の課題を解決することです。アップルは「誰もが持ち運びできるコンピューター」を実現しましたし、ファーストリテイリングは「安くて質のいい日常の衣料品を提供する」ということで多くの人の課題を解決しました。だからこそ、業績が上がって株価も飛躍的に上昇したのです。

私たちの日常で感じた素直な喜びや感動があれば、それを提供してくれている企業はどこだろう? 他社がすぐに真似できない独自性があるものだろうか? そう考えることによって、長期投資のヒントはいつでも得られるといっていいでしょう。

大江 加代 確定拠出年金アナリスト

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おおえ かよ / Kayo Oe

大手証券会社に22年勤務、サラリーマンの資産形成にかかわる仕事に一貫して従事。退社後、夫の経済コラムニストである大江英樹氏(株式会社 オフィス・リベルタス 代表)を妻として支える一方、確定拠出年金の専門家としてNPO確定拠出年金教育協会 理事、企業年金連合会 調査役として活動。野菜ソムリエの資格も持つ。

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