時間軸としては、「2030年に向けたアクションプラン」を第1段階の念頭に置いている。市内の事業所から発生する副生ガスや、風力発電等の地域に集積する再エネも活用して地域で水素を生産し、地域で利用する計画も取り入れていく方針だ。
北九州市の「響灘洋上風力発電施設の設置・運営事業者公募」で占用予定者に選定され、2017年4月に設立された特別目的会社、ひびきウインドエナジーが2025年度の営業開始に向けて準備を進めている。
同社ホームページによれば、響灘をA~Dの4エリアに分け、計25基の風車を建設。最大発電出力22万kWの発電所として、20年間にわたって発電事業を行う計画だ。完成すれば、洋上風力発電所としては日本最大級となる。
こうした洋上風力発電に由来する水素を含めて、2030年度には北九州市で年間5700トンの水素需要を見込むという。
こうして見てきたように、北九州市の環境行政は、カーボンニュートラルの実現に向けて再び転換点を迎えていることがわかる。
DX関連でも次世代化を目指す動き
水素利活用のため、環境行政を進めると同時に、DX(デジタルトランスフォーメーション)の分野でも、北九州市は積極的な動きを見せている。
例えば、北九州市を含めて全国13区域(2023年12月現在)で指定されている、国家戦略特区の活用もその1つだ。国が成長戦略の実現に向けて、「世界で一番ビジネスがしやすい環境(内閣府HPより)」を創出することを目的とした制度だ。
北九州市では、これまで国家戦略特区の仕組みを使い、介護ロボットを活用した「先進的介護・高齢者活動拠点」の形成や、海外大学卒業外国人留学生の就職活動支援事業などを行ってきた。
また、民間施設の北九州イノベーションセンター内に、スタートアップ企業等を対象とした人材マッチング支援センターや、テレワーク推進センターを開いている。
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