スバル「KINTO参入」もサブスクに大きな障壁 オートサロンで感じた「所有から共有」の現実

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モータースポーツ参戦車両が並ぶ東京オートサロンのスバルブース(筆者撮影)
モータースポーツ参戦車両が並ぶ東京オートサロンのスバルブース(筆者撮影)

東京オートサロン2024(2024年1月12〜14日、於:千葉県・幕張メッセ)での最初のプレゼンは、「モリゾウから新年のご挨拶」だった。

トヨタ自動車の会長ではなく、自称「普通のクルマ好きのおじさん」という立場で「私はクルマ好きの皆さんと一緒に未来を作っていきたい」と、モリゾウは自身の熱い思いをグローバルに向けて投げかけた。

トヨタブースで「モリゾウ」こと豊田章男会長がプレゼンをする様子(筆者撮影)
トヨタブースで「モリゾウ」こと豊田章男会長がプレゼンをする様子(筆者撮影)

こうして幕開けした東京オートサロン2024の会場を巡りながら、筆者が「クルマの未来」に対して「先読みが極めて難しい」と感じたのは、クルマの「所有から共有」に関する今後の市場の動きだ。

もちろん、ポジティブな可能性もある。「スバル×KINTO(キント)」は、その1つだ。スバルのサブスクリプション(サブスク)が2024年夏から本格的に始まる。

なぜ、スバルがKINTOに加わるのか?

KINTOはトヨタ自動車の関連企業で、クルマをサブスクで乗れるサービスを2018年から開始し、累計契約数10万件を突破した。

初期費用ゼロ円、解約金ゼロ円で保険、車検、メンテナンス費用などをすべて込みとした“毎月定額支払い”が特徴で、日本市場で徐々に浸透してきた印象がある。

KINTOによれば、全KINTOユーザーのうち個人が7割、法人が3割だという。一般的に法人はリース契約に馴染みがあるため、KINTOに対する理解も早かったようだ。また、2023年末に登場した「クラウンセダン」は、法人7割・個人3割という契約事例のモデルもある。

そんなKINTOに、トヨタ車以外の取り扱いが始まるのだ。

スバルによれば「オンラインで手続きが完結する新車との付き合い方は、これからのスバルにとっても必須」として、特に若い世代の個人客を意識してスバル社内で検討。一定の方向性が見えてきた段階で、スバルからKINTOに相談し「かなり早い段階で事業化の流れが決まった」という。

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