むろん、これらが植田総裁の本音である保証はない。ChatGPTがこれまで学習してきたデータと植田総裁の講演テキストの内容を勘案すると、このような「本音」を持っているだろう、ということ以上でも以下でもない。
しかし、いずれも「建前的」な発言よりも踏み込んだ発言であるが、外野が予想する「本音」のイメージと近いように思われる。
植田総裁以外にも、全9名の日銀政策委員の講演テキストをChatGPTに読み込ませ、それぞれ「2024年に利上げする可能性」を聞いてみた。
結果は、AI植田総裁など3名が「利上げする可能性が高い」と回答した。一方、「現在の金融政策の継続が適当」や「利上げを行う可能性は低い」といった据え置き派が4名となり僅差で優勢だった。他の2名は「判断することはできない」と回答した。
AI審議委員「隠れタカ派」7対2で利上げ
もっとも、このようなストレートな質問では「本音」を引き出せていない可能性が高い。そこで、質問に「本音」を尋ねるために、「本音では2024年に利上げする可能性が高いと思いますか」と聞き直した。
すると、AI植田総裁など7名が「利上げする可能性は高い」と回答した。2名は「利上げする可能性は低い」と回答したが、7対2で政策は変更されることになる。「隠れタカ派」は意外にも多いのかもしれない。
実際の日銀審議委員の胸の内はわからない。政策判断は機動的に行われる可能性を考慮すると、過去の講演テキストを読み込ませたAI日銀審議委員の回答は古い考えしか反映されていない可能性もある。
しかし、新しい材料について日銀審議委員の意見を聞いてみたいケースなど、AI日銀審議委員の活躍する余地はかなり大きいと筆者は考えている。
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