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植田日銀「18年ぶりの利上げ」の反面教師とお手本 3月にも「マイナス金利解除」、その手順と成否

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日銀のマイナス金利解除がいよいよ迫る。次回3月会合(3月18日、19日)にも踏み切りそうだ。過去2度の利上げにどう学んでいるのか。

植田和男氏(中央)が利上げで見習う総裁は福井俊彦氏(左)か、速水優氏(右)か(写真:福井氏と速水氏は尾形文繁、植田氏は編集部撮影)

植田和男総裁率いる日銀がマイナス金利の解除に向けて前傾姿勢を強めている。急速な前傾ぶりから、金融市場では「早ければ3月の金融政策決定会合で解除されるのではないか」(大手邦銀)との観測が広がっている。

実際に政策金利が引き上げられると、2006年以来、18年ぶり。また、現在の金融政策運営の枠組みが整った1998年施行の改正日銀法(通称・新法)の下では3度目だ。

過去の解除経緯を踏まえ、植田日銀の解除プロセスと成否の条件を考察してみたい。

「主な意見」で解除前傾が鮮明に

日銀が解除姿勢を示したのは1月23日の金融政策決定会合だった。同会合後に公表された「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、2%の物価目標の達成について「実現する確度は少しずつ高まっている」と物価判断を前進させた。

同会合後の会見で、植田総裁は賃金と物価の好循環が強まれば「マイナス金利も含めた緩和解除の是非を検討する」と発言。さらに、1月31日公表の同会合の「主な意見」では、委員から「マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつある」との認識が示された。

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