具体的には、植田総裁の過去の講演テキストをChatGPTに読み込ませ、植田総裁の考えを理解した「AI植田総裁」に質問してみるという作業を行う。誰でも仮想的に質問できるようになれば、日銀ウォッチャーが不要になる時代が来るかもしれない。
AI植田総裁の答えを紹介する前に、いくつかの注意点を述べておきたい。
「フェイク発言の流布」が目的ではない
筆者らの目的は植田総裁や日銀審議委員のAIを作成することによって本音を考察することにある。植田総裁や日銀審議委員の発言を生成し、フェイク発言として流布させることは目的ではない。最近では岸田首相のフェイク動画が流布されたことが問題視されたが、AI技術をこのように用いることは問題である。
また、当レポートではChatGPTが生成した文章を紹介しているが、アウトプットは直接用いないように筆者が要約して示した。ChatGPTに読み込ませた講演テキストは日銀が一般に公表したものだが、それ以外にChatGPTが読み込んだテキストデータの出所については確認ができないからである。
他にも、ChatGPTのアウトプットはあまり安定的でないことにも留意が必要である。今回は同じ質問を複数回実行することで、できるだけ安定的な回答を選ぶようにしたが、安定性を厳密に評価したわけではない。
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